LM386で作るギターアンプ 設計編

2016.05.19

LM386を使ったギターアンプはかなり有名なので、調べたらわんさか作例が出てきます。
スモーキーアンプとかも有名ですね。

今まで、音楽関係の電子工作はエフェクターばかりだったので手始めに作ってみようと思いました。

では、やっていきませう。

回路を考える。

LM386を使ったアンプはいくらでも作例が出てきますが、日本語のアプリケーションノートが簡単に見つけられるので一度読むべきだと思います。
素子定数の決め方もちゃんと書いてあるしね。

基本はアプリケーションノート風にこんな感じでしょうか。

ちょっと違うのは、入力のボリュームを外してゲイン調整の抵抗を可変抵抗にしてることぐらいでしょうか。

電源電圧はクリーン寄りな音も頑張って出したいので12V、スピーカーは秋月で買った300円の8Ω。

回路図には書いてないですが、電源には適当にパスコンを。
うちではいつも、転がってる容量の大きいコンデンサを適当につけます。

ボリュームに関しては、うちのギターだと絞ることはないと考えました。(普通のFJのストラトです。)
ギター側のボリューム絞ればよいですしね。

ゲインを上げれば歪む。
わかりやすいです。

ただ一つ気になるのは、入力インピーダンスがギターを入力するには低いことでしょうか。

LM386の入力インピーダンスは約50kΩらしいのですが、それに頼らず10kΩ程度で受けろと指示されているのでハイインピーダンスで受けられないです。

ここは適当なバッファ回路をくっつけてハイインピーダンスで受けます。

バッファ回路の設計

せっかくの簡易的なアンプなので、あまり小難しいものをつけるべきではないでしょう。

非常に基本的なエミッタフォロワのバッファ回路を取り付けます。

TS9とかに付いてるよくあるタイプのバッファです。

入力インピーダンスは約500kΩなので、ギターの入力に充分な性能です。

バイアス部のR1,R2は入力インピーダンスを決定する抵抗で、R3は後段のLM386の入力インピーダンスとの兼ね合いで決まります。

R3が大きすぎると電流が足りず波形が歪みますし、小さいとバイアス部の電流が足りなくなります。

バイアス電流とエミッタ電流の兼ね合いがあまりよろしくない気もしますが、ギターの信号なんて1Vもないですから問題無いものです。
(実際こんな感じの定数のものがエフェクターの中にも入ってますしね)

詳しい話はみんな大好き『定本 トランジスタ回路の設計』のエミッタフォロワの章を読んで!

問題点

ただこの回路だとパワーアンプで歪ませてるので、歪ませると音量めっちゃ上がるんですよね。

クリーンだと音量は小さいかもぐらいなのですが歪ませるとワンルームにはちょっとでかい。。。
(お前さっきまで音量ちょうどいいとか言ってたやん。。。)

ので、プリアンプ段を作って歪ませた信号をLM386で電力増幅することにします。

普通のアンプっぽい感じですね。

プリアンプ段設計

手っ取り早く手元にあるパーツで手軽に作れそうなものということで、OD1風のオーバードライブ回路をプリアンプ段として採用します。

負帰還にダイオードクリッパが入ってる歪み段と、オペアンプを使ったローパスフィルタっていうOD1まんまの回路です。

歪み段はOD1と全く同じです。多分。
OD1は入力にバッファが入りますが、素子数減らしたかったのでそのまま受けています。

フィルタ段は定数がちょこちょこ違います。
C3はOD1だと0.018uで、C3の値が小さいほどハイ寄りになっていきます。
これは音の好みもありますが、うちにあった在庫で作ったがための選択です。。。

で普通にやったらどうもボリュームが敏感だったので、R6を47kにすることでフィルタ段のゲインを-12dBにしてます。
これでトータルゲインを下げてます。ただこれだとクリーンがちょっと音量足りない感じになってしまうので、ココらへんは現物合わせで用途にあわせてく感じで。

C1・C4といったカップリングコンデンサもうちの在庫にあったものを使ってるのでこれがベストというわけではないです。
むしろ大きすぎますねどっちも。

とにかく実験

話が前後しますが、定数を決めるのは実際に回路を組んであーでもないこーでもないといった感じで素子を差し替えてやります。

変えては弾いて変えては弾いてってやってると、あまり耳も良くないので何がなんだかよくわからなくなります。。。

まだキャビネットを作ってないので最終的な音の感じは想像するしかないですしね。

次回、キャビネット組み上げ&回路作成して完成させますよ。

完成しました

LM386で作るギターアンプ 製作編